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shin5氏に敵意的なツイッターユーザーの真実

フォロワー数21.3万(2016年3月現在)、最近ではツイートを漫画化した書籍まで出版されたというshin5氏。この活躍ぶりから分かる通り、彼のツイートに対し羨望や憧れの意思を示すツイッターユーザーは数多くいる。
しかし一方で彼のツイートに対する嫌悪感を示し、その不自然さなどを指摘したり批判したりするユーザーも少なくはない。
今回はshin5氏に対するツイッターユーザーの反応から分かることを私なりにまとめてみたいと思う。


※この考察はあくまで独自の見解によるものです。


まずはshin5氏の主なツイート内容を、私が把握した限りでざっくりと説明したい。

・shin5氏と家族(shin5氏と再婚された奥様、奥様と前のご主人の間のお子様1人、shin5氏と奥様の間 の双子のお子様)の日常エピソード
・shin5氏と奥様とのLINEトークをスクリーンショット保存した画像
・エピソードではないが、家族への愛や想いなどを短文でつづったもの(いわゆるポエム)
・shin5氏自身の職場などでのエピソード

こうしたほのぼのする内容の最後に、shin5氏が奥様にやや辛辣な言葉をかけられるといった落とし所があるものや、最後まで家族への感謝を述べるなど特に落とし所は作らないものがある。


次はshin5氏のツイートに対し羨望や憧れの意思を示すツイッターユーザー、つまりshin5氏に対し好意的なユーザーの特徴について考えてみる。

・物事をあまり疑わない
ツイッターを現実生活の延長として利用している

shin5氏のツイートはフィクションではないということなので、単純に言うとshin5氏の家庭では上記のようなほのぼのした、落とし所もきちんとあるエピソードが毎日のように起こっていることになる。
shin5氏に好意的なユーザーはそれを「作り話ではないか」などと疑うことなく受け入れ、「自分もshin5氏のような恋人または配偶者が欲しい」「自分もshin5氏のような家庭を作りたい」というリプライやツイートをするのである。

また、こうしたユーザーはツイッターのアイコンを自分(であろう人)の写真にしたりユーザー名を本名(であろう名前)にしたりしていることが多く、自己紹介欄にも自分の所属する学校や企業、住んでいる場所などを記している。
仮にアイコンやユーザー名自体は匿名性の高いものであっても、ツイートの内容で個人情報やそのヒントになるようなものを明かしてしまうようなユーザーが多い。現実生活の中で誰かに話しかけるような気持ちでツイッターを利用しているような感覚が見てとれる。


以上のことから反対に、shin5氏のツイートに対し嫌悪や批判の意思を示すツイッターユーザー、つまりshin5氏に対し敵意的なユーザーの特徴が見えてくる。

・物事を疑ってかかる
ツイッターと現実生活とが全く別物である

shin5氏に対し敵意的なユーザーは、shin5氏のツイートを「作り話ではないか」と疑い、LINEのスクリーンショット画像についても「奥様と打ち合わせをしてからトークを送りあっているのではないか」と疑う。
疑うだけではなく過去のツイートや画像などを手掛かりにその矛盾や不自然な部分を検証し、自分のアカウントでツイートする。その行為が原因でshin5氏からアカウントブロックされることもあるらしい。

そしてこうしたユーザーのアカウントは匿名性が高い。アイコンには芸能人や何らかの作品など既存の画像を使用し、ユーザー名も実名とは全くかけ離れている(であろう)ものになっている。

ツイート内容もそれに伴い、個人情報やそのヒントを不用意に明かすことは少ない。また、とても現実生活では発言できないような言葉や表現のツイートも多く、こうしたユーザーのなかではツイッターと現実生活が全くの別物であることが分かる。


shin5氏に対し好意的なユーザーと敵意的なユーザーが対照的であることが分かったところで、いよいよ本題に入る。
shin5氏に対し敵意的なユーザーが本当に思っていることとは何なのか。

ただshin5氏のツイートが気に入らないだけであればブロック機能を使って目に入らないようにすればいい。それなのにshin5氏を嫌悪、批判するツイートを続けるのはなぜなのか。
『のろけが不快』『嘘くさい』『ツイッターで金儲けをすることが気に入らない』『注目を浴びていることが羨ましい』など理解しやすい理由も多々ある。

しかし私が挙げるのは、『shin5氏に対し好意的なユーザーへの恐怖』だ。
敵意的なユーザーは、shin5氏自身を最も嫌悪し、批判しているように見えるが、その裏には『恐怖』があるのだ。

自分と同じツイッターユーザーであり、リプライやリツイートなど同じ機能を使いこなしながらも、『ほのぼのとした起承転結のある出来事が毎日のように起こる家庭』を疑いもせず、あろうことか憧れ、自分もshin5氏のようになろうとする人々への恐怖。

自分もLINEの仕組みを知り、使いこなしているはずなのに、『毎回スクリーンショットに収まる範囲内で起承転結のあるやり取りをする夫婦』に不自然さを感じることなく、皮肉でも何でもない素直な賞賛を示す人々への恐怖。

ツイッターやLINEに疎い高齢者でもなく、幼い子供でもないはずの(好意的なユーザーは全体的に年齢層が若そうだという感覚はあるにしても)、自分と何ら変わりのない人間のはずなのに、同じツイートを見たときの反応が『あまりにも素直すぎる』という恐怖。

それに比べると、shin5氏自身への『恐怖』はそれほど強くない。
仮にツイートが作り話であったり、LINEの文章がいちいち奥様と打ち合わせた上で送り合ったものであるならば、そこには『注目を浴びたい(リツイート数を増やしたい)』、『収入に繋げたい』といった計算が発生しているからだ。

現実でいちいちツイッターのことを意識して生活している家族が存在することについて若干の恐怖はあるが、上記のような『あまりにも素直すぎる』という恐怖はない。

『自分が注目を浴びるわけではない』し、『一円の収入にもならない(むしろ本を買った場合、支出することになる)』のに、何の疑問を持つこともなく目の前に記されたエピソードを受け入れる人がいるということが、shin5氏に対し敵意的なユーザーには恐ろしくてたまらないのである。

だから敵意的ユーザーはshin5氏のツイートの矛盾点を探す。shin5氏のツイートは不自然だと言い続ける。好意的ユーザーにも気付いてほしいのだ。疑問を持ってほしいのだ。

しかし好意的ユーザーはそんなツイートを見ても、『shin5氏の悪口を言っている』としか思わない。深く考えることをしない。敵意的ユーザーを疎ましく思い、時にはブロックもすることだろう。

こうして好意的ユーザーと敵意的ユーザーの間にある溝はどんどん深くなっていく。おそらく永遠に分かりあうことはできないだろう。

よってshin5氏の活躍が終わるときまで、敵意的ユーザーによる『好意的ユーザーへの恐怖』を根源とした矛盾点指摘や批判などは続くものと思われる。
<考察・終>



<私自身の意見>
私はそもそも、恋人または配偶者との愛情や家族との良好な関係を述べる文章は大嫌いなので、shin5氏に限らず『ほっこり』を売りにするようなアカウントは見ないようにしていた。
しかしshin5氏やてぃ先生などに対する皮肉や批判を読むうちに面白くなり、そういったアカウントに興味を持つようになって、今回の記事を書くに至った。

ちなみにてぃ先生に対しては、140字以内で毎回きっちり起承転結をつける技術は素直にすごい。でもてぃ先生のツイートを見た一部の保護者が『うちの子も今日何か面白いこと言いませんでしたか?』なんて保育士さんにしつこく聞いて困らせたりしてそうだなと思うと憂鬱な気持ちになる。くらいの感想である。

しかし、仮にshin5氏やてぃ先生が『閲覧無料のツイートでファンを集めておき、そのファンに本を購入さ せて収益を得る』という事業戦略としてツイッターアカウントを運営しているとしたら相当やり手な人たちだなと思う。

この売り方は数年前に流行った『ケータイ小説』と同じではないだろうか。『恋空』を皮切りにいくつものケータイ小説が書籍化され、漫画になったり映画になったりしたことを思い出すと、実によく似ている。

恋空が流行ったとき私は中学生だったのだが、あらすじだけをネットで見て「こんな内容のものが売れるなんて今の同年代はどうなってるんだ」「だいいち日本語なのに横書きの小説なんて読めたものじゃない」などと心の中で批判していた。周りの同級生よりは本を読む人間だったので、いっぱしの文学人間気取りでいたのである。

その後内容が気になって、結局恋空を読ん だ(友人に借りた)が、「確かに形式が新しいな……」くらいの感想しか抱かなかった。私が恋愛小説自体をあまり受け付けない人間だからなのかもしれない。

あと当時恋空に影響された同級生の女が同級生の男(ヒロシ:仮名)のことを「ヒロ」と呼び始めたのは今思い出しても本当に気色が悪い。怖い。

だから今も、ほっこりツイートの群れに心温める同級生を冷ややかな目で見ながら落胆や恐怖を味わっている人がいるだろうなと思う。でもあなたは間違っていない。心温めている同級生も、決して間違っているという訳ではないのだけれど。私は冷ややかな目で見る人の方が好きです。というより心温める側の人と関われる自信がない。
<終>